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ひとやすみ
2007年11月8日 『切診』2
記録的な暑さが続いた夏から一転、ぐっと冬に近づいた
様な気がする今日この頃。皆さん、体調の管理に困って
おられませんか?
 東洋医学の世界では、季節に応じた養生が唱えられて
おり、秋には乾燥の邪気『燥邪』、冬には冷え込みの邪
気『寒邪』に注意しましょうと言われています。燥邪に
よって呼吸器官に違和感を覚えたり、寒邪によって筋肉
や関節の痛みが強くなったりする可能性が考えられます。
急激な乾燥や冷え込みにはご注意を。
 さて、今月は先月号に引き続き、東洋医学における触診
(患者さんに直接触れて病の状態を把握すること)につい
て、ご紹介いたします。併せて先月号を読み返して頂けれ
ばより参考になるかと思います。

 東洋医学の世界では触診のことを『切診(せっしん)』
と言い、玄武堂では主に、「脉診」、「腹診」「背候診」
といった手法を用いて患者さんの体調を見極めて行きます。

 中でも先月号からご紹介している「脈診」は、東洋医学
の世界観を非常に良く表していますので、この機会に、も
う少し具体的な説明を加えていきたいと思います。

 まずは先月号でご紹介した健康な人の脉の特徴を、もう
一度記しておきます。


○健康な人の脉とは
『脉拍の速さ』は一呼吸に四〜五拍が目安です。
脉の『拍動する位置』は浅くもなく深くもなく、皮膚から
骨までの真ん中辺りにあるのが目安です。
『脉の形』は、丸く柔らかく触り心地の良い感じが目安で
すが、これは非常に言葉に著しにくいものです。東洋医学
の世界では理想的な形の脉を「和緩を帯びた脉」と表現し
ています。


 これらの基準に照らし合わせて、患者さんの病を把握し
ていくのですが、人の体調や脉の状態というものは周りの
環境によって少なからず左右されてくるものです。
次に気候の変化と脉診のポイントについてご紹介いたします。

○季節に応じた脉
 冬は寒さが身体に影響を与えるため、身体が少し縮こま
った状態になり、前述の基準からやや沈んだところに拍動
を感じる脉『沈脉』となってきます。やや沈脉が正常とな
ります。治療後に目標とする脉がやや沈んだ感じの脉であ
ると考えます。逆に夏の暑い季節に沈脉が現れていたら身
体が病に侵されていると判断し、治療を行います。
 他の季節にも特徴があります。春は冬の寒さから身体が
目覚める季節で、硬さの中に勢いのある脉『弦脉』になっ
てきます。夏は熱気の季節、身体の熱気は脉に溢れ返らん
ばかりの勢いを与えます。『洪脉』です。秋は夏の暑さが
落ち着き、身体の表面が冷えを感じ始めたものの、夏の勢
いが少し残っている、やや浮き上がった脉『浮脉』が特徴
となります。これらの特徴を意識した上で、病の判断、
治療の目標を考えて行きます。

○病気と脉の特徴ではいわゆる風邪の症状が生じた場合を
例にとって話を進めます。

風邪(風の邪気)背中の上部、首すじの辺りにある
『風門(ふうもん)』や『風池(ふうち)』というツボから
身体に侵入すると考えられています。風邪に侵されると、
一般的に身体は発熱し、首すじから後頭部にかけて頭痛が
起こり、汗が出て、寒さを感じやすくなります。そのような
症状が表れている場合、脉は『浮脉(基準より浮き上がって
いる脉)』及び『緩脉(脉の輪郭にしまりが無く、緩んだ脉)』
を示します。そういった病気にかかった場合は、弱った体力
を補うと共に、『風池』や『風市(ふうし)』といった風の
邪気に関連したツボに鍼や灸による刺激を加えて邪気を追い
出します。

もちろんそれ以外にも咳や鼻水、くしゃみ、腹痛といった
症状が複合的に表れてくることが多いですが、そういった場合
は風の邪気と共に湿気の邪気(湿邪)や冷えの邪気(寒邪)が
体内に侵入してきたと考えます。そういった場合も脉の変化を
捉えることで邪気の種類や位置を読み取り、より治療に効果的
なツボを選んでいきます。

 玄武堂の鍼灸治療では、前回・今回とご紹介した切診と共に
、これまで紙面で紹介してきた望診・聞診・問診の結果を総合
して患者さんの病の状態を知り、治療を進めて行きます。
 東洋医学の診察法を用いれば、これまで気付かなかった体質
や未病(発症していない病気)がみつかる事もあります。
皆さんも一度、当院の鍼灸治療を受けてみませんか?
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