帯状疱疹後神経痛と長期間続く吐き気への鍼灸治療の症例

《症例》

〇40代 男性

〇主訴:帯状疱疹後神経痛(左胸、左脇、左背中)、吐き気

 ・10月初め頃に帯状疱疹発症

 ・ポツポツ、ピリピリから始まり痛みが出始めた

 ・バルトレックスを1週間服用

 ・痛みは治まったが、痒みが出現し、痛みが復活した

 ・カイロ貼ったり温めると楽になる

 ・8月頃から原因不明の吐き気が続いている

 ・胃カメラでは少し逆流性食道炎があり、大腸検査ではポリープを10月にとった

 ・半夏厚朴湯を服用すると症状は少し改善する

 ・口呼吸すると吐き気は強くなり、鼻呼吸だと吐き気は少し治まる

 ・日によって吐き気の強さは変わるが、一昨日は4回吐いた

 ・水分を摂ると吐くことが多い

 ・吐き気が出始めてから、ここ2カ月ほどで体重7キロ減った

 ・7年前に嚢胞腎(両方)発症

 ・高血圧の薬飲んでいる

 ・コロナワクチン4回打っていて、ワクチン後遺症酷かった

 ・熱が38~39°で全身沸騰して爆発しそうで死ぬかと思ったほど(20時間ほど起き上がれなかった)

 ・コロナには感染してない

 

〇治療の経過

 今回の治療では、

  ・左内庭

  ・左魚際

  ・左大陵

  ・左太衝 (単)

  ・左孔最(瀉)

  ・左膈兪

 へ寒痺の鍼の治療を行った。

 次の問診時には、左胸、脇は少し改善がみられたが痛みはまだ残っていた。起き上がる時の激痛は改善された。

 背中の痛みは、1日1回痛くなるだけに治まっていた。

 また、吐き気は治療後から、1日吐かなかったが、次の日には2~3回吐いてしまった。

 来院三回目の時には、左胸、脇の痛みは来た時の痛みを「10」とすると、「5~4」まで改善していた。

 背中の痛みもほとんど無くなった。

 吐き気は前回同様、治療後1日吐かなかった。

 胃を温めると嘔吐回数も減少し改善された。

 その後も数回治療を続けることで、左胸、脇の痛みも「10」から「2」にまで良くなっていた。

 吐き気も「ここ2週間ぐらいは吐いていないです✨」と仰られていました。

 日常生活への支障が無くなったため治療は終了しました。