新型コロナウイルス感染後の味覚、嗅覚障害、うつ、胃腸の不調への鍼灸治療の症例

〈症例〉

〇50代 女性

〇約2年前に新型コロナウイルス感染し、肺炎となり一カ月入院。

 退院後、息苦しさ、気分の落ち込み、嗅覚味覚障害が出現。

 特に、胃腸が悪い時に気分が落ち込みやすい。

 薬を処方されているが飲んでも変わらない。

 味覚嗅覚症状は完全に戻っておらず、食事しても味が物足りなくかんじ、それがストレスに感じている。

 お腹の張痛(右側)、胃の膨満感がある。

 朝昼は食欲ないが、夕方は食欲出てくる。(小食)

 外食して気分を上げて何とか食べてる感じ。

 1年前に腹痛で虫垂炎の疑いがあったが問題なしで、漢方薬飲んでるが治ったり発症したり繰り返す。

 以前は料理したり、ジムに行っていたが、今は1日中家で過ごし身体の悪い所を考えたりしている。

 のどがモヤモヤしており、10日前に治療受けたが喉が痛痒い。

 

〇治療経過

 1回目の治療後では、喉の痛痒さはマシになっていた。

 嗅覚味覚症状、息苦しさはあまり変わらなかったが、

 数回治療を続けると、日常生活に支障は無いぐらいにまで回復した。

 

 しかし、今年の2月末に体調を崩してから動悸、耳鳴りがするようになった。

 動悸では、心電図は異常は無く、気持ちに負担がかかった時にでる。

 症状あることがストレスになってる。

 息苦しさもあり、息を吸えるがはく力が弱い。

 早歩きすると息切れしやすい。

 病院では肺には異常なし。

 耳鳴りは両方あるが左の方が強く、常にキーンキーンと鳴ってる。

 耳を閉じても耳鳴りする。

 朝が一番うるさく、昼夜は日によって変わる。

 口の渇き、粘りあり

 睡眠:薬飲んでも熟睡できていない。

 食欲:あるが、食べ過ぎるとおへそ辺りが張る

 治療には、

  ・気海(補)

  ・右三陰交(補)

  ・中脘(補)

  ・両肝兪

  ・両三焦兪

  ・両膈兪(瀉)

 治療直後から体がスッキリした感じで息苦しさもマシになった。

 治療を続けると、動悸、息苦しさの症状が少しずつ改善され、元気も出てきた。

 胃の膨満感などの胃腸症状も治療を続ける中で改善された。