背中全面の痛みへの鍼灸治療の症例

《症例1》

〇50代 女性

〇症状

 ・神経痛のような痛みが8月中旬頃から出現した。

 ・子供の頃に水痘にかかっていたため帯状疱疹になったと思い皮膚科に行ったが、発疹などの症状は出ていなかった為、帯状疱疹ではない可能性が高いと診断。

 ・念のため帯状疱疹の薬を処方された。

 ・右肩甲骨から上腕にかけてうずくまってしまう程の痛みが出現した。

 ・病院で血液検査、心電図、MRI検査してもらったがすべて異常なしで、原因不明と言われた。

 ・昨日は脇の下がいたかった。

 ・今日は、背中から腰全体が痛く、季肋部(T7~T9)辺りも痛くずっとピリピリしている。

 ・痛みで睡眠もあまりとれてない。

 ・痛みの程度は、右肩甲骨から上腕にかけての痛みが「10」としたら、今は「7~8」ぐらいになってる。 

 

〇治療の経過

 ・今回の治療では、

  ・両風市(単)

  ・両風池(単)

  ・両期門(単)

  ・両肝兪(瀉)

  ・両膈兪(瀉)

  ・両三焦兪(瀉)

  ・神道(瀉)

  ・両神堂

  ・両風門

 へ治療を行った。

 治療後は、背中から腰全体の痛みは少し治まっており症状の変化がみられた。

 次の来院時には、痛みが「10」から「5」まで減っていた。

 背中全体がピリピリしており、特に下腹部1周と溝内1周がピリピリ感が強かった。

 日によって痛みの場所が変わる。

 その後も、治療を続けることで症状は段々和らいでいる。

 また、痛みで眠れなかったのが、今ではしっかり睡眠をとれるようになっている。

 

《症例2》

〇40代 女性

〇症状

 ・8月下旬頃に、頭から背面、下肢後面の皮膚にピリピリとした痛みが出現した。

 ・1日の中でも痛みの強さが変化する。

 ・特に仕事中が1番ピリピリする。

 ・ピリピリが出る前は、2,3日全身の関節が痛い感じが続いた。(発熱はしてない)

 ・いつも仕事の休みの日も忙しくしてるが、前の休みの時は1日中寝て起きてを繰り返してゆっくりしていたら急にピリピリが出始めた。

 ・病院に行ったが原因ははっきりしなかった。

 ・薬も処方されて飲んだが変わらなかった。

 ・ピリピリが出始めたと同時に、左顔の三叉神経痛も出たが、病院から処方された薬で治った。

 ・痛みは、日焼けした肌をさらに焼かれてる感じの痛みで、今も続いてる。

 ・今は、背中と左肘辺りが一番ピリピリしていて、後頭部の感覚も鋭くなってる。

 

〇治療の経過

 ・今回の治療では、

  ・両風市(瀉)

  ・両陰陵泉

  ・両膝陽関

  ・両申脈(陽蹻脈)

  ・両三焦兪

  ・両膈兪(単)

  ・両神堂(単)

 へ治療を行った。

 治療後はピリピリとした痛みは無くなっていた。

 次の来院時では、治療後帰ってる時に少しヒリヒリが戻っていたが、次の日はヒリヒリがゾワゾワになったが、またヒリヒリに戻ってきた。

 特に、右前腕後面と、背骨ライン、T4,5辺りがピリピリ感が強くなっていた。

 その後も、治療を続けることで症状は少しずつマシになっているが、日によって痛みの場所が変化している。

 

 

《症例3》

〇50代 女性

〇症状

 ・先週から背中の痛みが出てきた。(特に右側)

 ・背中が痛すぎて、骨折してるのでは?と思い整形外科に行ったが異常なしだった。

 ・病院で診てもらったが、帯状疱疹じゃないか?と言われたが原因は分からなかった。

 ・表面は、皮膚がピリピリしてる感じで、奥の方は深い痛みの2種類ある。

 ・仕事中も痛すぎて、息を吸ってもウッとなる痛みが出る。

 ・特に、深く息を吸った時や、ふとした動作で力を入れた時に起こる。

 ・服が体に当たっても違和感。

 ・皮膚が敏感になってる感じ。

 

〇治療の経過

 ・今回の治療では、

  ・両合谷

  ・両復溜

  ・両曲池(瀉)

  ・両大腸兪(瀉)

  ・両脾兪

  ・両申脈

 へと治療を行った。

 治療後は、最初より背中の痛みはマシになっていた。

 次の来院時では、少し違和感があるぐらいで、背中のピリピリ感は無くなり楽になってきていた。

 まだ、奥の方がズキズキ何かがいる感じが残っていた。

 最初は、背中の上の方に違和感があったが、今は場所が段々下がってきて背中の真ん中から腰がだるい感じへと変化している。

 

 

上記の症例の病証として東洋医学では、「行痺(こうひ)」が考えられます。

「痺」とは、閉塞して通じないことをさします。

病気を起こす悪い気(邪気)が体や経絡(東洋医学で言う気の流れる道)、臓腑に滞ることにより起こる様々な疾病を痺病と言い、行痺は、痺証に含まれる痺病の一つです。

痺証とは、正気(病気を起こす悪い邪から体を守る機能)の不足により防御作用が低下した際に、病気の原因となる邪が体を攻撃することにより、気血の流れが滞り筋、骨、関節などに疼痛や不快感運動障害などの症状を起こす病証です。

行痺は、風の邪(病気の原因となる邪)によって引き起こされて起こります。

風の邪は、痛みの場所が定まっておらず、動きがみられるのが特徴となります。

 

上記の説明を簡単にまとめると、体の免疫力が低下し、皮膚の表面で炎症を起こすことが、今回症例で上げた症状の原因と考えられます。

 

これらは、東洋医学に沿った鍼灸治療により体の免疫力を上げていくことで症状は改善されていきます!!

 

このような、突然の神経痛のような痛み、皮膚のピリピリ感など、同じ様な症状でお悩みの方は是非お気軽にご連絡ください😊