症例集

症例:交通事故による首から腰にかけての痛み(40歳代 女性)

 

事故の状況

渋滞で止まっているところ、後ろから追突された

経過

Ⅰ)首の痛み…左回旋で後頚部に重痛と吐き気
Ⅱ)背中~腰の痛み…坐位から立位時の脹痛、安静時痛(-)
Ⅲ)左脚の痛み…歩行時に鼠径部の痛み、静止時の大腿後面~足底までのシビレ、脚全体の重だるさ

Ⅰ)~Ⅲ)全て雨天や曇りで増悪

 

随伴症状

耳鳴り、頭痛

東洋医学的診断

気滞オ血

治療

関元、太衝、太渓、合谷、陰陵泉、足三里、三陰交、肝兪、腎兪、脾兪 等
4診目でⅢ)の症状と腰の痛みが治まった

Ⅰ)は治りつつあるがまだ残るとのことだった
5診目でⅠ)の症状も治まり、天気の悪い日以外は痛みなどほぼ気にならなくなった
しかし、一人で車に乗る時やストレスを感じると首や背中の痛みが再発する

考察

事故は誰も起こそうと思って起こしてしまうものではありません。
この患者さんは停車している時に急に後ろから追突されたとのことで、身構えすることは不可能な状態でした。
日頃からストレスを溜め込みやすい方で、ひどい症状は早期治療で早く治まりましたが、仕事や日常で車に乗られる時に異常に緊張してしまい、症状が再発することがありました。

このような精神面からくる症状も、鍼灸治療は効果を発揮することが改めてよくわかりました。