コロナ後遺症による嗅覚・味覚障害への鍼灸治療の症例

《症例》

〇50代 女性

〇主訴:コロナ後遺症による嗅覚、味覚障害

〇症状

 ・7月初めにコロナ感染(喉の痛みと発熱)

 ・コロナ感染の3日後ぐらいから、味覚、嗅覚が分からなくなってきた

 ・嗅覚が分からなくなって1週間は香りが分からなかったが、だんだん戻ってきた

 ・嗅覚は、始めが「0」だとしたら、今は「3~4」ぐらい分かる

 ・香水のキツイ匂いや柔軟剤の香りは分かるが、完全ではなく、1枚膜を挟んで香りがする感じ

 ・鼻は詰まってないのに、周りから鼻詰まってる声みたいと言われた

 ・味覚は、苦味がすごく感じる(口の中全体に苦い)

 ・日によって、口の中が苦かったり、油で膜が張ってるような感じでバラバラ

 ・甘味は感じるが、出汁などの旨味が分からない

 ・少しずつマシになってるが2カ月間口の中の苦味が取れない

 ・舌の先が全体的に火傷のようなしびれる感じがある(日によってあったり無かったりする)

 ・嗅覚、味覚は良くなったり悪化したりを繰り返してる

 ・食欲はあるが、料理が美味しくない

 ・8月末に自転車で転倒し、右足首内反捻挫した

 ・むち打ちみたいに青くなったが治ってきた

 ・歩いたりで痛みは無いが、足首を底屈したときに、右外のくるぶしに違和感がある

 

〇治療の経過

 今回の治療では、

  ・両足三里

  ・両神門

  ・左太白

  ・右照海

  ・両心兪

  ・両脾兪

  ・両胆兪

 へ治療を行った。

 次の問診時では、治療後と治療の翌日まで舌の痺れは治っていたが、時間が経つと元に戻る。

 また、麦茶を飲んだ際に、一瞬香りがしたがまた戻っていた。

 嗅覚は、良い香りは匂いがするが、くさい香りは分からない。

 右足内反捻挫の違和感も、嗅覚、味覚障害の治療と同時に治療を行い、違和感はなくなっている。

 その後も治療を続けていくことで、嗅覚は初診時に比べて8割ぐらい戻っており、最初分からなかったくさい香りも分かるようになっている。

 舌のピリピリ感は日によって波があるが、口の苦味は落ち着いている。

 「香り、味が分かるようになって嬉しいです✨」と仰られていました。

 日常生活に支障が出なくなったため治療は終了しました。