血管性浮腫への鍼灸治療の症例

《血管性浮腫とは》

血管性浮腫(別名:クインケ浮腫)は、真皮深層および皮下組織の浮腫で、特に顔、まぶた、唇、のどに多く、お腹、足や手などにも生じることがあります。

浮腫は非対称性で軽度の痛みを伴うことが多いです。

 

血管性浮腫の原因としては、遺伝性後天性に大きく分けられます。

 

遺伝性では、遺伝性血管性浮腫(HAE)があります。

遺伝性血管性浮腫(HAE)では、急に皮膚や粘膜が腫れたりむくみ、全身のあらゆる場所に生じますが、多くは皮膚と消化管に起こります。

皮膚の場合は顔面やくちびる、手足、腕、脚などに、かゆみのない腫れが起こります。

消化管が腫れると激しい腹痛が起こることがあり、また、吐き気、嘔吐、下痢もみられることがあります。

多くの場合、症状は数日で消えるといわれています。

しかし、のどが腫れると呼吸困難になったり、窒息したりする危険性があるため注意が必要です。

HAEの発作では、呼吸が苦しく感じるような顔の腫れやのどの腫れ、激しい腹痛が起きることがあります。

これらは精神的ストレスや過労などの肉体的ストレス、ケガ、妊娠や生理、使用している薬などが、発作の引き金となることが知られています。

 

後天性の原因としては、特定の薬(解熱鎮痛薬の一部や降圧薬、抗生物質、経口避妊薬(ピル))やアレルギーを起こす食べ物、花粉、動物のフケなどのアレルゲン、原因が特定できないものがあります。

その中でも原因が特定できないものが多く、それらを特発性血管性浮腫と言います。

特発性血管性浮腫の場合は、誘因がなく突然症状がでますが、疲れストレスなどが発症要因となりやすいです。

 

 

《症例》

〇50代 女性

 ・2週間前ぐらいから、上唇が腫れてきた。

 ・病院では、血管性浮腫と言われた。

 ・血圧の薬が影響してるかも

 ・血圧は160/91だった

 ・ストレスも関係してそう

 ・2,3日前から逆流性胃炎の感じがしてる(胸やけしてるがあまりムカムカはしてない)

 ・夏バテみたいな感じの頭がボヤーっとした感じがある(頭痛も少しある)

 

〇治療の経過

 今回の治療では、

 ・両内庭

 ・両太白

 ・中脘

 ・関元

 ・両足三里

 ・左列欠

 ・両胃兪

 ・両腎兪

 へ治療を行った。

 治療を行う前は、上唇の痛み・腫れ・違和感があったが、治療の途中から上唇の腫れが少しずつ治まり変化がみられた。

 治療後は、上唇の痛み・腫れ・違和感は最初よりもマシになっていた。

 2回目の来院時では、上唇の痛み・腫れ・違和感は無くなっており、夏バテのような頭痛、ボヤーっとしてる感じ、胸やけの症状も良くなっていた。

 治療中にの際には、「段々腫れが引いてきて、痛みと違和感もマシになってる😲凄いです✨」

 と仰っていました。